地域神様の種類と対策
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沖縄には様々な「ウタキ」と呼ばれる拝所があります。
しかし、全部が全部同じではありませんよ。
自然、森羅万象をつかさどるウタキ・・・水の神、農耕の神、火の神、海の神など
神降臨のウタキ・・・アマミキヨ伝説、羽衣伝説など、神が降臨した場所を祀ったところ
根家・・・祖先神。
偉人の墓・・・タマウドゥン、大北墓、孔子廟など。
どの神様にも畏怖の念を込めて拝み、謙虚さをもって対峙しなければなりません。
さて、この中で一番身近であり、人の生活や人生儀礼に、とても影響のあるウタキがあります。
それは、
自然神を祀ったウタキ。
人は必ず土で育った食物や、その植物を食べて育つ生き物を食べ、海からの産物、水という天の恵みを頂いて生きながらえてきました。
また、そういうウタキは沖縄県内に数多くあります。
沖縄の拝所という本において、神降臨のウタキ、根家、偉人の墓はあるていど網羅されてますが、自然神のウタキの全てが掲載されているわけではありません。
自然神のウタキはおそらく、3000ヶ所以上になるでしょう。
基本、ひとつの村には4ヶ所以上のウタキが存在し、そのうちのひとつはまちがいなく自然神を祀った場所となります。
この4ヶ所を
「ムラユチン」(村四鎮)ということが多く、東西南北の4ヶ所に設けられてるハズ。
「結界」ともいうべきそのユチンなのですが、現状はかなり深刻。
開発などによって破壊されています。
特に、自然神の場合。
目だった祠のようなものがなく、森全体。または泉全体。ヘタをすると木一本という場合もあり、地域の古老でなければ場所さえも分からないという事態になってます。
これが実は大問題。
何が問題かというと・・・
相続問題と税金問題なんです。
特に、那覇市や浦添市といった
地価の高い場所において、そのウタキの
所有者は、毎年高い税金を支払わなければならず。
また、ウタキを守る家にも不景気の波が押し寄せたり、土地の有効活用の話が出たりと、「
お金がらみ」の問題が出始めてきたわけです。
以前は地域の篤志家や有志の人々がこぞって
援助したりしていたハズですが、
世代交代のはじまった現代。
子孫にとって、「ウタキ」の存在価値が
見出せず、またはその存在自体も
知らないままに、売却や分割、そして開発へと繋がります。
祠がなく、たったひとつの石が鎮座しているウタキもあれば、森全体がウタキの場合もある。
しかし、その存在は有名ではなく、どちらかというと「忘れ去られている」。
さて、そこでスーパーやマンションが建設されたり、道路になったり・・・。
実際にそういうことが過去に起こってますよ。
第二次世界大戦による沖縄県内での地上戦は熾烈であり、ウタキも相当数が破壊されたでしょう。
そして、米軍統治下での開発。アメリカ軍基地の設置でさらにウタキは破壊。及び立ち入り制限を受けてます。
先日、浦添市のとある場所にて鑑定していたとき、かつてここにあったであろうウタキが破壊され、開発されている現場に出くわしました。
ウタキの移設もされてないようで・・・。その地域の「結界」が
脆弱になることが予想されます。
さて、人間の事情で破壊されるウタキですが、それを移設するという考えを持った業者さんや施主が激減。
自治会の働きかけも皆無でしょうね。
今まで、私たちを助けてくれたウタキ。
せめて、「そこにはウタキがあったんだよ」というモニュメントさえもないようになってきた現代。
私たちは、自然に対する「畏怖の念」と「有難み」を忘れかけているように思います。
結界の薄れる現代。
「お通し」という方法でつくる「個人結界」、バリア強化。
ホントはね・・・・、地域にあるウタキへの挨拶ですむ話なんですよ。
だけど・・・・、まぁ、しょうがない。
壊れてしまったウタキは、元通りにはならない
この一ヶ月の鑑定作業でぶち当たった「地域ウタキ力低下」問題。
頭の痛い問題です・・・。フゥ・・・・。
追記
隠されたウタキの秘密・・・
自然神を祀ったかのように見えるウタキですが、実は・・・
偉人のお墓だったりします。何故そうしなければならなかったのか。
それは政治がらみの問題。
「このウタキは我が家系を創始された方のお墓。しかし、それが今の政府(王統)に知られては破壊されてしまう。」
「絶対に他言無用。だれにも知られてはならない。子々孫々に口伝せよ」・・・・ってなこともある。
しかし、それが子孫に伝わらなかったとしたら・・・。
つまりはだ、「
お墓をつぶして」何かを建築することになるかもしれないわけです。
こんなの・・・・いーーーーっぱいあると感じますね・・・。