伝えてはいけないこと、伝えること
命のこと
以前にこういうことがありました。
「比嘉さん・・・私はあとどれくらい生きられますか」
寿命が近づいていらっしゃいました。
でも・・・
「あとどれくらい生きたいですか?」
そうお聞きしました。
「もっとずっと生きていたいです」
そうおっしゃいました。
「そうですか、ならばずっと生きつづけましょうよ。白髪が生えるまで!」
一年後にお亡くなりになりました。
私は今でも考えます。
あの時、私は正直であっただろうか。
キチンと伝えたほうが良かったのか。
でも、未来は変わる。
強い信念は運命を変えられる。
彼女が亡くなってそろそろ5年・・・。
この時期はいつも思い出します。
もうひとつ。
これはだいぶ昔のこと。
「比嘉さん、ちゃんと元気にしてますか?」
そう言って、私を励ましてくれる方がいらっしゃいました。
その方は身体が弱く、いつも気分悪そうにしていたんです。
でも、自分を差し置いて、人の幸せを考える方でした。
ある時のこと・・・・
「比嘉さん、あのね・・・」
その方から電話が掛かってきました。
「ハイ、どうしました。 あっ、ちょっと待っていてくださいね・・・。」
私はその時、別のことに気を取られていて、その方からの電話を「気持ちよく」受けることができていませんでした。
「・・・・もしもし。もしもーし」
電話は切れていました。
スグにまたかかってきましたが、電話に出ることが出来ません。その方は留守番電話にメッセージを入れてました。
「あのね比嘉さん。比嘉さんがちゃんと健康を第一にしなきゃって言っていたから、ご飯食べたよ」
留守電を聞いた私は、そのことをそれほど重要視せず、「あぁ、そうか、良かった」くらいで済ませたんです。
でも、それがその方の声を聞いた最後でした。
数日後、自らの命を絶ってしまわれた。
ちゃんと電話して伝えればよかったな・・・・。
「そうですか、良かったです。ご飯は健康の基礎ですからね。それを聞いて安心しました」・・・って。
最近、とても忙しくしていて時間に余裕がなくなってきました。
でも、ふと思い出しました。
思い出せて良かった。
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