カミダーリ→さてお次は・・・続き

パパヒガ

2013年11月09日 22:24

さて、前回の続きを書きますね。

「帳簿」が渡されると、ユタとして本格的に活躍することになります。ただ、実践経験が少ないため「OJT」という状態で活動することになります。
「OJT」→オン ジョブ トレーニング=仕事しながら練習する。

つまり、ユタとして活動しながら実践経験を積み上げていくのです。この頃になると、ある程度のウガンはできます。なぜなら、儀式儀礼はほぼマスターしているからです。ココからさらにステップアップするには「勘」を取る技能を向上させることになります。
「勘」を取るとは、ハンジ(鑑定)のこと。相談者の悩みを的確に仕分け、優先してやらなければならないことを判断していくわけですね。

また、帳簿をもらった後にウガンをしにウタキに行ってみると、以前とは違ったメッセージをウタキの神様からいただけることが多く、ユタにとっては一生が学びになってしまいます。完璧なユタはまず存在しないといっていいでしょう。


さて、ユタという呼称が実は「女性の霊能者」だけの呼称であることはご存知でしょうか。

男性の霊能者は、ほんとうはユタといいません。「トキ」といいます。しかし、この呼び名はすでに死語になっちゃってるんでしょうね。

また、ユタという呼称とは別に「ユタマンチャー」「ならいユタ」というモノもありますが、これは性格にはユタとは言い切れません。
なぜなら、この両者には「霊能力」がない場合が多く、儀式儀礼、及び、悩みに適したウタキを「知識」として持っているだけで、霊視による鑑定は不可能だからです。こういうユタもどきはたーくさんいます。あたかも霊視ができるように見せかけます。
そんな方にウガンをお願いしたら、よくなるどころか、余計に悪化することも・・・。

あと、「サンジンソー」という方もいます。「ムンシリ」という方もいますね。この両者も霊能力を基盤にしているわけではなく「占い」が専門です。
結婚式の日取りはいつが良いかとか、子どもの名づけは何がいいかとか、引越しのい日取り。新居の方位。風水に近い能力を持っています。
「ユタマンチャー」「ならいユタ」とは一線を画し、しっかりとした知識によって活躍していたのですが、近年は数えるほどしかいらっしゃらない。絶滅危惧種ですね。

最後に、大変重要な話をします。私のところにいらっしゃる相談者の中で、ユタになりたいということで弟子入りしたいという方が過去に数名いました。私は「やめたほうがいい」と必ず伝えます。

「ナティル アンマサヤ カミングゥワ」という言葉があります。 意味は「神に仕える人になんてなるもんじゃない。大変だ」という意味です。

ユタのところには、あらゆる悩みや苦しみを抱えた方々が相談にいらっしゃいます。病の苦しみ。お金の苦しみ。人間関係の苦しみ。家庭の苦しみ。ありとあらゆる悲しみに対応し、その苦しみの解放を目指すわけですが・・・。

ユタ自身が経験したことならまだしも、未経験のことに関してはなかなかアドバイスなんてできないですよ。

「先生に、俺の苦しみなんて理解できるわけがない。わかるわけないんだーーー」

余命6ヶ月の末期患者が、医者に発するセリフの定番ですよね。

わかるわけないんです。だって医者は余命6ヶ月になったことないんですからね。

だけど、ユタは違う。出来る限りギリギリの「体験」や「体感」をさせられるんですよ。「疑似体験」とでもいいましょうか。

これがね・・・ものすごく大変なんですよ。気が狂いそうになるくらいなんです。夢の中でそういう体験をリアルにさせられたり、時には「現実」として経験させられる。

病の苦しみ。裏切りの苦しみ。どつぼの苦しみ、お金の苦しみ。子どもの苦しみ。仕事の苦しみ。ありとあらゆる苦しみを経験させられるんです。

そうなれば、相談者の気持ちに限りなく近づけるからなんです。


こーれーは、もう・・・キツイどころじゃない。死にたくなることも少なくありません。これは主に「巫病」の最中に表れることがほとんどで、周りの理解が無い限り、果ては精神科となります。私は妻の理解があったから生きていられていると感謝してます。

なので、ユタになると離婚するとか、お金が無くなっていくとか・・・いろいろな災いがついてくることも少なくありません。

なりたくてなるものではありません。しょうがなくさせられているんですよ


以前のユタには、「心理カウンセラー」という側面もあったハズです。おばあちゃんの知恵袋的な面ももちあわせていたでしょう。

近年のスピリチュアルブームに取り込まれたユタ・・・。霊視鑑定やウガンのみに重点を置かれてしまったユタの存在。

悲しいですね。


そして、もっと本物のユタにおなるべく、人間修行を重ねるべきです。

ユタは確かに人助けをする仕事です。それなりの代価を必要とします。ですが、法外な値段でウガンをしたり、ハンジをしたり・・・。

こんなんじゃ、ユタに力を貸すハズのウタキや聖地は怒るばかり。実際、あちこちのウタキは怒ってますよ。今のユタの実情に。

そして、人間関係が希薄になってきた現代社会にも呆れてきてます。

それを正そうと、多くの若い人材が沖縄で活躍し始めてますが、まだまだ少ない。候補者の多くは、心療内科や精神科の待合室に座ってますよ。

でもね・・・こんな霊能者みたいな職業がいらない世の中を構築することは可能なんですよ。

そこに近づけるべく頑張ってますが・・・腰が・・・。  なんてな・・・。


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